学会誌『原爆文学研究』(第21号)(2023/2/28)で、『広島 抗いの詩学』について、佐藤泉さま(青山学院大学)、成田龍一さま(日本女子大学)よりご書評いただきました。
佐藤泉さまからは、ウクライナ戦争勃発から日本の安全保障の大転換、そして復興五輪の翌年という「2022年」に刊行がされたことを糸口に、本書が投げかける「「文学」そのものへの問い」についてご紹介いただきました。「ふたたび、みたびと繰り返し読み返されなければならない一冊だと改めて感じた。」というお言葉で締めていただき、版元としても大変うれしい書評です。
成田龍一さまからは『UP』(2022/8)につづいて、驚きの二本目の書評となります。『UP』でとりあげられた「政治と文学」という問題系に加え、本書評では「歴史と文学」という問題系に本書が誘うであろう論点を、色川大吉と西川長夫の70年代後半の議論を参照しながら、ご紹介いただきました。「へたくそ詩」、「ゴミ」というキーワードから大きな歴史叙述のテーマに広げ、最後は藤原辰史さんの『歴史の屑拾い』というあらたな展開にまでふれておられます。
刊行からちょうど一年、『原爆文学研究』において二人の方に同時に記していただけたことに感謝です。