『日本近現代文学研究』(創刊号)にて『絣の着物 壺井栄戦争末期短編集』が書評欄にて紹介されました。

『絣の着物 壺井栄戦争末期短編集』(著:壺井栄、編集・解説:秦剛)について、『日本近現代文学研究』(創刊号、アーツアンドクラフツ)にてご紹介をいただきました。

「中国人研究者による日本の近代から現代までの文学研究」という研究雑誌創刊号の最初の書評に選んでいただけましたことを、心から嬉しく思います。
書評者は、呉恵升(武漢商学院)さまになります。(ご著書に、『石川達三の文学―戦前から戦後へ、「社会派作家」の軌跡』、アーツアンドクラフツ)
本書の意義を、多角的に論じていただいたうえ、付録資料の意味づけ、そして本書の現代的な出版の意義まで論じていただいております。

「評価の空白を含めてエクストを読み直すこと―それは、戦争が奪ったものだけでなく、戦争が作り出した回路そのものを、文学史内部へ引き戻す作業にほかならない」
「『絣の着物』が八〇年後の現在に届く意味は、戦争の直接記憶が薄れつつある現在において、戦争が日常をどのように変形し、人の感情と言葉をどのように窒息させるのかを、具体的な生活の単位で想像させる点にあるのではないか、と考える。」

中国の日本研究者のみなさまのなかで、北京で眠り続けた壺井栄の書籍を通じて、このような言葉のやりとりを交わせたことは、版元冥利に尽きます。

書評のなかで触れられます、呉恵升さまの「長江と日本戦争文学」研究、
そして研究ジャーナル『日本近現代文学研究』の今後のさらなるご発展を願うとともに、心から感謝をお伝えいたします。