【電子版】尹紫遠全集

1945年以降に引かれた「朝鮮―日本」、「北―南朝鮮」(38度線)という新たな2つの「境界線」を自らの足でこえた忘れられた在日朝鮮人作家の生涯にわたる全小説・詩歌・随筆・民話・日記を収録

確認できる全ての作品・随筆・日記を収録した『尹紫遠全集』の電子版(MeL,Kinoden)。


琥珀書房YouTubeチャンネルでは、上記の紹介動画(5分+推薦文公開)に加え、尹紫遠が死の一〇日ほど前に病床にて自作朗読を録音した音声データも公開しています。

 書籍概要

【電子版】尹紫遠全集

  • 著: 尹紫遠
  • 定価: 本体60,000円+税
  • ISBN:978-4-910723-40-2
  • 体裁: A5判、約1,200頁
  • 2022年12月刊行(MeL,Kinoden)

主な掲載物

<詩歌>
『月陰山』
「大いなる時代」
「焼け跡」
「大同江」など
<小説>
「嵐」
『38度線』
「密告者」
「長安寺」
「人工栄養」
「朴根太の話」
「うぶごえ」
「密航者の群」
「憲兵の靴」
<評論>
「朝鮮の民謡について」
「解説」金素雲編『朝鮮詩集』など
<随筆>
「言葉への神経」
「籔にらみ放談」など
「生活の隅から」
<民話>
「七銭の話」 
「蜂蜜と豆粥の話」
「黒い牛に乗った老人」など、民話多数
尹紫遠日記(1946.9-1964.8)

 著者プロフィール

尹紫遠(ゆん じゃうぉん)

尹紫遠(本名:尹徳祚:ゆんとくちょ) 
1911年、朝鮮半島蔚山に生まれる。幼い時に朝鮮総督府の土地調査事業により一家は土地を失う。書堂(漢文を中心とした私塾)と植民地下の初等教育を受ける。13歳の時、長兄を頼り単身横浜へ。1942年の時に自伝的短歌集『月陰山』を刊行。徴用を逃れるため1944年に朝鮮半島北部へ(現在の北朝鮮、松林市)。日本軍の武装解除のため米ソ軍の分割占領ラインとして引かれた38度線をこえ南朝鮮へ移動。「解放」後の混乱する南朝鮮を目の当たりにし、同時代の多くの朝鮮人がそうしたように日本への再渡航を決意。1946年に蔚山から日本へ「密航」。山口県にたどり着く。戦後日本で小説家を志す。1947年5月、金達寿、 金元基、李殷直らとともに在日本朝鮮文学者会を結成し短期間であるが責任者を務める。東京にて朝鮮国際タイムス社勤務、行商などを経て、クリーニング店を妻と経営。戦後の著書に『38度線』(早川書房、1950年)がある。日韓国交樹立の前年、戦後は一度も故郷の土を踏むことなく、1964年に死去。混乱の時代に玄海灘に沈んだ朝鮮同胞を胸に、死の間際まで自身の壮絶な越境の経験と、その背景になった時代状況を書こうとした。

 版元から一言

琥珀書房、電子版に初挑戦です。
宋恵媛さんの調査収集のおかげで、今までその存在さえ茫洋としていた尹紫遠の生涯にわたる仕事が通覧できるようになります。
日記など、検索がきくこともあり電子版の意義は大きいと思いますので、ぜひ図書館にリクエストのうえ、ご活用ください。